職住接近で働ける環境を提供していきたいと思っています。

NPO法人設立の経緯

当NPO法人は、2001年10月に埼玉県から、106番目の認証(2009年3月末:1317)を得て活動を開始しました。 そもそも県央北本の地にSOHOの活動が始まったきっかけは、1999年に有志で三鷹市SOHOパイロットオフィスを視察したことにあります。翌年、SOHOに関心のある市民を募り、任意団体「SOHOクラブ北本」を設立し、翌2001年、北本市商工会SOHOサロンが開設され、その運営委託を受けるべく、NPO法人が設立されました。

1.三鷹市SOHOパイロットオフィスの視察

北本におけるSOHOへの取り組みは、1999年に有志による、三鷹市SOHOパイロットオフィスの視察がきっかけでした。 三鷹市SOHOパイロットオフィスは、SOHOの形態でビジネスを行う人々をどのようにサポートするか、1998年から5年をかけて実証実験を行うための施設でした。 三鷹市の場合は、都市型のSOHOの実験であり、SOHOの中でもSO(スモールオフィス)に比重を置いて、インキュベーションのための業務ユニット9つと25坪ほどのサロンを組み合わせたものでした。 北本においては、むしろ、HO(ホームオフィス)が中心になるのではないか思われました。

2.SOHOクラブ北本準備会の発足

高橋伸治は、当時、自宅近くにSOとしてアパートを借りて仕事をしていました。長距離通勤を十数年続けた後、フリーのコンサルタントとして、マーケティングコンサルティングや企業研修など始めた頃でした。 PTAやコミュニティ協議会と係わるようになって、長距離通勤は、本人の苦痛ばかりでなく、地域に男性保護者が不在になることにより、教育上の問題をも引き起こしていると感じていました。ですから、少しでも職住接近の社会に近づけたいと考えたわけです。 SOHOの活動を始める際に、そもそも、この地域にどの程度のSOHO事業者とその予備軍がいるのかを確かめる必要がありました。そこで、地域のポータルサイトとして、2000年1月からスタートを切った「北本ネット」に「SOHOクラブ北本」会員募集のページを4月に開設しました。

3.SOHOクラブ北本の活動

私たちが、三鷹市SOHOパイロットオフィスに視察に行っていた頃、ごみ減量等市民会議で活動していた藤井稔さんが、北本市の生活・文化・経済に関する情報を集合した地域ポータルサイトである「北本ネット」の企画を進めていました。 藤井さんは、自動改札や交通管制システムなどを設計製作する企業で、設計部門および情報システム部門の責任者を歴任し、退職する前から、その企業の勧めにより、地域の市民活動に参加していました。ごみ減量等推進市民会議では、減量委員会委員長として、委員会活動を行いながら、北本のすべての団体の中で最も早くホームページを立ち上げていました。 高橋伸治は、当時北本市まちづくり観光協会のインターネット委員会委員長をしていて、ごみ減量等推進市民会議の副会長の竹村元宏さんと藤井さんに委員になっていただいて、一緒に活動していました。

4.SOHOクラブ北本の活動

2000年の4月に、北本ネット上で、仲間を募ったところ、夏までに北本市内30人、近隣10人(北本からロンドンに留学していた人、結婚してニューヨークに住んでいる人含む)、総計40人が集まり、eメールでのコミュニケーションが始まりました。 7月・8月・10月と公民館で、集会(オフラインミーティング)を行い、市民向けの「パソコン・インターネットなんでも相談室」なども開催しました。SOHOクラブ北本は、物理的な拠点を持たないインターネット上の団体であり、IT関係の質問と回答など、情報交換を中心とした活動を行っていました。 夏以降、読売新聞や広報きたもとにも掲載されたこともあり、2000年末には、メンバーは100名を超え、12月10日に、市長、市議会議長、県議会議員をお招きして、正式発足しました。

5.IT講習会とNPO設立の動き

2000年の秋ごろ、北本市教育委員会生涯学習課では、2001年から始まる「IT講習会」の準備に入っていました。北本市には、一般的には人材バンクと呼ばれる、生涯学習の市民講師を登録しておく制度として、「人財図書館」という制度があり、「市民カレッジ」として活用されていました。SOHOクラブ北本は、生涯学習課と調整して、団体登録および個人登録を行いました。 このことにより、他の市町村がNECや富士通などの関連教育会社にIT講習を丸投げしたのに対して、北本は市民講師によるIT講習の実施ができました。 私たちは、今後、行政との協働のためには、任意団体ではなく、法人格を持った団体を目指すべきではないかと考え、2001年6月に、「埼玉ソーホー支援推進協議会」という名称でNPO法人登録申請を埼玉県に提出し、10月に、県内106番目のNPO法人として認証を取得しました。

6.北本市商工会SOHOサロンの設立

2000年度、経済産業省は、商工会議所・商工会を受け皿とした「地域活性化事業」という補助金事業を全国規模で開始しました。様々な理由があったとは思いますが、埼玉県は2000年度には手を上げる市町村がない状態でした。 北本市の産業振興課は、中心市街地活性化政策と絡めて、新しい産業領域としてIT関連産業の育成の可能性を探っていました。一方、SOHOクラブ北本としては、自前でも、拠点を持ちたいという機運が出ていましたので、企画作成に協力することになりました。 「SOHOサロン事業」は、第1にSOHO事業者の活動支援を行い、第2に既存の商工業のIT化支援を行い、第3に市民のIT化を推進するというものでした。拠点の選定、設備の検討など膨大な準備作業を経て、2001年8月末に、北本駅東口ロータリー前にオープンしました。

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